大学受験「旺文社パスナビ」トップ合格サポートトップ>センター試験[主要14科目]重要傾向と対策のポイント

地理B

代々木ゼミナール講師/田村誠先生

平均点が急上昇。
過去問の徹底研究が高得点獲得への近道

2008年の出題はここがポイント:大学受験「旺文社パスナビ」

 2007年と同じ形式(大問6・小問36)が踏襲されていることからも明らかなように、基本的な学習事項の習得状況を広範に確認する出題姿勢は変化していない。しかし、最も容易に判断できる箇所を解答させる出題や図表から読み取った事実がすぐに正解となる出題が多く見られた一方で、種々の地理現象が引き起こされる背景理由を問う出題が少なかったことが影響してか大きく易化した。また、「現代世界の課題」と「地域調査」の出題は定番化した感がある。

●過去5か年出題分野 《←ここをクリック!》

高得点確保への傾向と対策:大学受験「旺文社パスナビ」

 傾向1:自然環境・現代社会の課題・地域調査が必出している

 センター試験の出題は、言うまでもなく教科書レベルの学習をきちんとやっていれば容易に正解できる基本的・基礎的なものが中心となっている。したがって、地形・気候の形成メカニズム、環境問題・食糧問題・人口問題・都市問題・民族問題などの頻出する分野については、とくに教科書で正確に理解するよう心掛けよう。
 また、地域調査に関する出題は、地形図読図と日本地理が核となっているので、この両分野についてもしっかり対策を講じておくことが必要だ。

【対策】
自然環境の形成メカニズムを理解し
図表(雨温図・地形図など)の判読練習を
しっかりしておくこと

 傾向2:地理現象に対する科学的理解が求められる

 人口ピラミッドのデータから将来の老齢人口比率の変化を推察させる2008年の出題(第5問・問2)が典型例であるように、設問の多くはさまざまな地理現象がある一定の法則(規則)性の下で成り立っていることを正確に理解していないと正解できない。それゆえに、高得点を獲得するためには、種々の地理的法則性を確実に把握しておくことが必要不可欠である。
 例えば、米や小麦の生産データ(2005年)を前にして、「第1位が中国、第2位がインド…」と暗記していてはダメなのだ。「米や小麦は二大主穀」→「食糧需要が大きい人口大国での生産が活発」→「人口規模(2005年)が世界最大の中国(約13億人)や世界第2位のインド(約11億人)における生産量が多い」→「米・小麦の生産は第1位が中国、第2位がインド」というように、地理現象が創り出される背景要因を理論的に理解しておかねばならない。"地理は科学"、ということを肝に銘じて学習に取り組むことだ。
 地形図読図も、等高線や地図記号を用いた地形の表現法、地形と土地利用・集落立地の間に存在する規則性などを理論的に理解しておく必要がある。

【対策】
さまざまな地理現象が引き起こされる
背景要因を地理的法則性に基づいて
理論的に理解することが重要である

 傾向3:新傾向に見えても過去問からの類題が多い

 2008年の出題でも明らかなように、近年の出題の多くは、一見して新傾向のように見えても、実はその多くが過去問の類題として出題されたものである。それゆえ、教科書などで基本的な学習事項をザッと習得したら、過去問研究に取り組むことが必要だ。ただし、正解したか否かだけに注意を払っているようではダメだ。正解以外の選択肢の「どこが誤っているのか?」「どう訂正すれば正しい内容となるのか?」などを詳細に研究しておこう。こうすれば、過去問演習を通して知識の不足を補ったり、整理を行うことができるだけでなく、2009年の試験で別の角度から問われることがあっても、対応可能な実戦力を身につけることができるはずだ。

 

【対策】
過去問の研究に取り組んで
知識を整理・補強し、
実戦力を涵養することが重要である

大問別平均点&出題分析(カッコ内は「平均点」)
【第1問】
「自然環境(地形・気候)」 '08年…配点16点(11.3点)
「世界の自然環境と自然災害」'07年…配点16点(11.1点)
世界地図(タリム盆地付近中心の正距方位図法)に示された地域の地形・気候の特色を問うもので、過去問に類題が多い。正距方位図法に関する出題は見られなかった。問6の地形・卓越風と降水分布の関係についてマダガスカル島を例に問う出題は、地理的思考力を問う良問である。
【第2問】
「世界の資源と産業」 '08年…配点16点(11.7点)
「世界の工業」'07年…配点16点(9.6点)
第二次産業全般に関する出題で、基本的内容の理解を問うものが中心。問3・4で資源大国「ロシア」を取り上げていたのは、時機を得ている。また、問5(中央・南アメリカ諸国の資源と産業)は、細かな内容の理解を要求しているように見えるが、そうならないように出題の仕方を工夫してある。
【第3問】
「世界・日本の都市」 '08年…配点16点(11.1点)
「世界の都市の発展や都市問題」'07年…配点16点(9.7点)
「ビオトープ」・「パークアンドライド」といった用語が使用され斬新な感じがするが、多くの設問は過去問に類題が見られる都市の特色に関するものである。問5(居住地移動をともなう地域間人口移動数の変化)は、図表から読み取った事実が即正解となり単純過ぎる問題であった。
【第4問】
「南アジアの地誌」 '08年…配点17点(9.0点)
「アフリカの地誌」'07年…配点17点(11.5点)
南アジアに関する標準的な出題で、過去問に類題が散見される。問2(3都市の気候の特色)は、従来ならば雨温図などの気候グラフが用いられたはずだが、説明文を用いる形式となっている。問5の3か国の貿易の特色は、表の読み取りから容易に解答することができる。
【第5問】
「現代世界のさまざまな社会的課題」 '08年…配点17点(12.2点)
「現代世界の課題」'07年…配点17点(9.7点)
「現代世界の課題」は、本試験で4年連続しての出題となった。今年は、女性の社会的地位の格差、人口問題、民族問題などが取り上げられた。なかでも、問2の2000年の人口ピラミッドのデータを基に将来の老齢人口比率の変化を推察させる出題は、地理的思考力を問う良問であった。
【第6問】
「地域調査」 '08年…配点18点(14.5点)/'07年・配点18点(10.3点)
地理A・B共通問題。広島市を取り上げて、地形、成立・発展の歴史、都市としての性格などを問う出題であった。地形図読図と日本地理が核となっているが、前者はきわめて容易であった。問5の4市の産業の特徴についての出題は、地元の受験生は比較的容易に判断できると思われる。
※「大問別平均点」は旺文社の集計による数値。