駿台予備校講師/大森徹先生
知識+考察+スピードを必要とする出題。
練習量がものをいう
大問は5題で変化はなく、総マーク数も2007年の30から32に微増しただけ。しかし、各大問がA、Bに分かれて、より幅広い内容から出題されている。さらに選択肢も、昨年は最も多いのが4つだったが、2008年は6つが最も多く、選択肢を読むだけでも昨年以上に時間がかかる。実験のデータなども増え、ページ数も昨年の25から29ページと増加した。正確な知識をすばやく取り出し、データをすばやく解析するだけの練習量が要求されたと言ってよいだろう。
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傾向1:幅広い範囲からまんべんなく出題される
幅広く、いろいろな単元から出題されるので、どの単元も手を抜かずに学習することがまず必要。中心になるのはもちろん教科書だが、ただ教科書を眺めるだけ、読むだけでは使える知識として定着しない。教科書の1つの単元をまず読んだら、基礎的な問題集でよいので、その単元についての問題を実際に解いてみよう。問題を解くことで、知識も定着し、その知識をどのように使うのかがわかってくる。知識を入れることだけに終始せず、知識を取り出す練習を行うこと。また、特に図やグラフは入念に学習しておこう。グラフであれば縦軸・横軸は何か単位は何か、といったことにも注意すること。教科書に載っている重要な図やグラフは自分で描きながら覚えていくのが有効。さらに、教科書に載っている実験に注目しよう。その実験の手順やどのような材料を使っているのか、なぜそのような操作が必要なのかといったことまで注意しながら読むとよい。
【対策】
知識は丸暗記ではなく、使えるように
単元ごとに問題演習してマスター。
重要な図やグラフは描けるようにする
傾向2:複数の単元にまたがる横断的な問題が出題される
1つの大問の中に、複数の単元の知識を使う問題も出題される。そういう意味では、早めに一通りの単元に目を通し、複数の単元にまたがる知識をリンクさせていくことが必要になる。これも問題演習をすることで、知識がリンクしてくる。理想的には夏休みが終わるまでに一通りの単元の学習を済ませておくのがベストであろう。1回目の学習では理解できなかったことも2回目で理解できることも多い。また知識をリンクさせていくと、あやふやだった知識が、使える知識として確実に定着していく。ただし、遺伝の単元だけは知識だけでは問題を解けないので、遺伝専門の参考書(旺文社の『遺伝問題の解法』など)を使って時間に余裕のある夏休みなどに集中して学習する必要がある。
【対策】
早めに全単元を見渡す計画を立て
一通りの学習が終わったら
各単元にまたがる知識をリンクさせる
傾向3:過去問と類似した問題が何度も出題されている
一通りの学習を終えたら、どんどん過去問に挑戦していくこと。過去の問題とまったく同じ問題は出題されないが、過去の問題と類似したテーマや考え方が同じ問題は何度も出題されている。たとえば2008年の第2問の花粉管の伸長の問題は、98年本試験の第1問と類似している。
また過去問の選択肢を研究することで、誤りやすい知識が浮き彫りになる。このとき、ただ過去問を集めただけのものではなく、過去問を現行課程用に改作し、用語などについても現行課程用に直したもの、年度別ではなく単元ごとに編集し直したものを使うほうが効率的である。とくに、センター特有の紛らわしく長い選択肢などを見抜く力を養うことが大切なので、たとえば『完結!センター生物』(旺文社)、『センターはこれだけ!』(文英堂)、『ネライ撃ちの生物』(中経出版)などがお勧めである。さらに秋からは実戦的な問題集(旺文社の『傾向と対策』、文英堂の『センターはこれだけ!演習/実験考察編』など)に取り組めば万全である。
【対策】
基礎問題集で基礎力をつけていく。
それが終わったら、過去問に挑戦。
過去問はどんどん演習量を増やす。
| 大問別平均点&出題分析(カッコ内は「平均点」) 「細胞・発生」 '08年…配点20点(16.8点)/'07年・配点20点(14.0点) 2006年、2007年に続いて細胞小器官から出題された。葉緑体、中心体、ミトコンドリア、液胞、ゴルジ体の特徴や働き、酵素の局在や細胞膜の透過性などに関する知識を問う問題だが、腎臓、赤血球、植物の水分吸収などの知識も必要で、総合的な知識が要求されている。 「生殖・発生」 '08年…配点20点(11.1点)/'07年・配点20点(13.2点) Aは花粉管伸長に関する問題。μmの単位の換算に関する計算問題や、胚嚢、胚珠といった紛らわしい用語で差がつく。Bはホヤの発生に関する問題。見慣れないホヤでも本文を丁寧に読めば判断できる。調節卵、モザイク卵に関する出題は過去にも何度も出題されているので過去問の演習量で差がつく。 「遺伝」 '08年…配点20点(12.4点)/'07年・配点20点(15.1点) Aは遺伝の基本的用語や頻出の補足遺伝子からの出題で基本的。Bは伴性遺伝でかつ連鎖というやや難の問題。連鎖の仕方を見抜き、雄と雌とで配偶子が異なることなどに注意を払わないといけないので時間もかかり、練習の量が少なかった人は、点数だけでなく時間的にも差がついたであろう。 「神経・行動」 '08年…配点20点(11.4点)/'07年・配点20点(15.1点) Aはあまり出題されなかった脳、筋肉からの出題。白質と灰白質、古皮質と新皮質、横紋筋と平滑筋、筋原繊維と筋繊維など混同しやすい選択肢があり、あいまいな知識では太刀打ちできない。Bは自律神経や体液からの出題で、自律神経の働きやリンパ系などについて少し細かい知識を要求している。 「植物の反応」 '08年…配点20点(11.0点)/'07年・配点20点(13.3点) Aは光周性からの出題。このようなグラフについても経験の有無で差がつく。Bは昨年に続いてオーキシンの働きに関する問題。アベナテストのグラフは早とちりすると間違えやすい。促進・阻害についての考え方は過去にも出題されている。ここでも過去問を研究したかどうかで明暗が分かれたか。 |
