大学受験「旺文社パスナビ」トップ合格サポートトップ>センター試験[主要14科目]重要傾向と対策のポイント

化学I

芝高等学校教諭/庄司憲仁先生

広範囲な出題なので
基礎事項を中心に苦手分野をなくそう

2008年の出題はここがポイント:大学受験「旺文社パスナビ」

 大問数4・解答数29で、解答数では1個増加したが、構成・大問配点は例年と同じで、難易度も昨年並みであった。第1問の小問集合形式も踏襲され、各大問とも全範囲からバランスよく広範に出題されている。昨年よりは計算問題が増加した分、文章選択問題が減少した。また、2006年以降、化学と人間生活の問題がさまざまな切り口で毎年出題されている。原子のモデル図を選択させる問題や、身近な物質としての高分子化合物もまとめて出題された点が新傾向と言えよう。

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高得点確保への傾向と対策:大学受験「旺文社パスナビ」

 傾向1:全範囲・全分野にわたって万遍なく出題されている

 2008年もそうであったが、化学の場合には全範囲にわたって出題される。したがって、未学習の分野があったり、苦手な部分があったりすると、その範囲の得点は望めない。
 とくに、原子・分子・化学結合・物質量・濃度などの基本分野が苦手な場合には、すぐにでも基礎からもう一度確認し、自分のモノにしておく必要がある。これらの分野は、他の分野との関連性も高いため、得意にできれば相乗効果が期待できるからである。基本事項に苦手分野がない場合には、模試などの結果で、どの分野が力不足かをまず確認する必要がある。そのうえで2・3の分野にポイントを絞って、基礎問題・練習問題・応用問題と順に進めることによって理解と応用力を深めていくとよい。
 化学では,分野ごとに内容がある程度独立していることが多いので,集中的に行えば比較的短時間でその分野のエキスパートになることも可能である。暗記事項が多い分野は常に繰り返し学習すること。

【対策】
基本事項は必ずマスターし
苦手分野は1つでも2つでも
減らす努力をしておこう

 傾向2:理論化学では思考力を要する設問が数多く出題されている

 2008年の出題を見ると、第2問で7問中5問が計算問題であった。また、思考力を要する設問や組合せ式の選択肢、2段階の思考を要する設問などでは、通常の問題がソコソコできるようになっていても、少し形を変えて出題されると、対応できないことがある。
 このような理論化学分野の問題や新傾向問題に対応するには、公式や化学反応式を丸暗記してなんとかしのぐような付け焼き刃ではなく、原理や内容を十分に理解し、常に深く追求する姿勢で学ばないといけない。教科書に記載されている化学の用語が、自分の言葉で説明できるかどうか、公式の意味を本当に理解しているかどうかなど、手間はかかるがきちんと確認しておきたい。

【対策】
丸暗記ですまそうとしたり
表面だけの理解に終わらせないで
常に考える習慣を身につけよう

 傾向3:無機は化学反応式、有機は物質の変化が頻出している

 無機化学や有機化学の分野は、知らない物質が次々と登場するなど、学習しにくい分野である。しかし、これまでの出題からもわかるように、気体の発生と金属イオンの反応は必出であるし、アルカリ金属元素・カルシウムの化合物・両性元素など頻出分野は限られている。とくに2008年では、化学反応式が自由に書けると強力な武器になる問題が多かった。ぜひ、主要な化学反応式は書けるようにしておこう。一方、有機化学は系統だっているので無機化学よりは学習しやすいが、やはり広範にわたるので、集中的に異性体・アルコール関連化合物にポイントを絞って学習するとよい。こちらは化学反応式よりは、何が何に変化するかを押さえておけばよい。

【対策】
暗記事項が多くて学習しにくい
無機化学・有機化学分野は
頻出事項に絞ってマスターしよう

大問別平均点&出題分析(カッコ内は「平均点」)
【第1問】
「小問集合」 '08年…配点25点(17.4点)/'07年・配点25点(18.4点)
小問集合形式の基礎問題のほか、物質量など基本問題が多かったが、原子の大きさは見当がつきにくかっただろう。また、原子モデルを図で選ばせる問題は新傾向。教科書にはないような化学反応式の係数を求める問題もめずらしい。化学と人間生活からの出題は、化学反応に関するものであった。
【第2問】
「物質の変化」 '08年…配点25点(17.5点)/'07年・配点25点(17.1点)
熱化学と反応の量的関係の組合せは、めずらしいが難しくない典型的な問題。pHから水素イオン濃度を逆に求めて、さらに電離度を求める2段階思考を要する問題は難しい。電気分解では反応から電極を考えさせる問題が目新しい問い方である。酸化数については典型的な易問である。
【第3問】
「無機化合物の性質」 '08年…配点25点(17.1点)/'07年・配点25点(14.6点)
元素の性質やハロゲン元素の性質は典型的な問題。化学反応式を考えてから酸化還元の判断をするのは手間だ。アンモニアの発生は過去問にもあったが、グラフ選択の問題は化学反応式を考えるところが難しい。また、気体の発生量についても化学反応式をいくつも作らないと正確に求まらず難しい。
【第4問】
「有機化合物の性質」 '08年…配点25点(15.4点)/'07年・配点25点(15.2点)
初めて高分子化合物がまとめて出題された。教科書では各所に分散しているので戸惑ったかもしれない。また、油脂・セッケンはセンター試験ではほとんど出題されず、ミセルの構造には悩んだであろう。エステルの構造決定や合成における実験手順など、やや高度な内容に踏み込んだ問題もあった。
※「大問別平均点」は旺文社の集計による数値。