代々木ゼミナール講師/岡本寛先生
丁寧な誘導があるが、
計算量は多いので
幅広い総合力が必要
大問数や配点、出題の形式は変わらなかった(第1問の順序が入れ替わった)。しかし、昨年と同様に60分の制限時間としては問題数・計算量ともに多く、数学I・Aと比べてレベルも高い。とくに第1問〔2〕は、これまでは見かけなかった設問であり、ここでつまずいた受験生も多い。第2問から第4問も丁寧な誘導があり、受験用の標準問題集などでもよく見かけるテーマではあるが計算量も多く、昨年同様、十分な対策をしていなかった受験生には厳しい内容であった。
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傾向1:基本事項の理解を問う良問が増加傾向にある
2008年の第1問〔2〕の三角関数は、センター試験では見慣れない設問であり正答率は非常に悪かった。特に、問題文にある「動径」の意味がわからず、まったく手の出ない受験生も多数いた(教科書でキチンと扱われている基本事項であるが…)。ここ数年の数学II・Bは、基本事項が真に理解できているかどうかといった、いわば数学の常識がわかっているかどうかを問う工夫された良問が多くなった。したがって、高得点をめざすには、基本事項をもれなく徹底的に理解することが必要不可欠である。
【対策】
数学の常識を徹底的に理解するために
教科書の全範囲の基本事項を確認して
見落としがないかをチェックしよう
傾向2:範囲が広く多種多様でハイレベル問題が多い
センター試験対策としては、まず教科書や基本問題集を完璧にすることはもちろん大切である。これらが対策の第一歩とも言える。とくに数学I・Aは、基本問題集を完璧にマスターするだけでも平均点は取れるだろう。しかし数学II・Bでは、数学I・Aに比べて範囲が広く多種多様なハイレベル問題が出題されるので、状況はまったく異なる。先にも述べた第1問〔2〕や第2問(3)の面積の場合分け、また、第3問の漸化式、第4問の後半部分などは、教科書レベルの演習だけをしていた受験生には、計算も複雑でかなり難しく思えたに違いない。
ところが、数学が得意でなくても8割以上を得点した受験生も少なくない。彼らは、過去問に取り組んだことで毎年このレベルの問題が出題されていることを知っていたからである。さらに、その徹底的な演習を通して各設問の丁寧な誘導を効果的に活用する方法を学び、これらの誘導を適切に生かすことができたからである。
【対策】
教科書や基本問題集の演習だけでなく
過去問を徹底的に研究し
誘導を上手に利用する練習をしよう
傾向3:毎年テーマを変えながら幅広い分野が出題される
第3問で本格的な漸化式の問題が初めて出題された。漸化式は昨年も出題されたが、2008年のような漸化式の応用問題は、私立大や国公立大2次試験では多く見かけるものの、センター試験では初めての出題であった(実は丁寧に誘導されていたので、指示通りに手際よく計算すればさほど難しい内容ではなかった)。これからも過去に出題されていない斬新な要素を取り入れた総合問題が次々に出題されるであろう。8割以上の高得点をめざすのであれば、過去問の演習をセンター対策の最終ゴールとするのではなく、全範囲を幅広く学習し、これまでに出題されていないテーマをハイレベル問題まで含めて積極的にマスターしていかなければならない。
【対策】
8割以上の高得点をめざすには
過去に出題されたことのないような
ハイレベルの応用問題の対策もしよう
| 大問別平均点&出題分析(カッコ内は「平均点」) 「指数関数・対数関数、三角関数(必答問題)」 '08年…配点30点(14.0点)/'07年・配点30点(19.2点) 〔1〕指数・対数の計算と相加平均・相乗平均の不等式を利用して最小値を求める問題。文字が多く現れるが、誘導に従えば難しくはない。〔2〕異なる2つの円周上を動く2点について問題。3角関数の定義そのものを問う良問であるが、センター試験では見慣れない設問で正答率は低かった。 「微分法・積分法、図形と式(必答問題)」 '08年…配点30点(18.5点)/'07年・配点30点(16.9点) 1つの点を共有する(接する)2つの2次関数を題材にした問題。(2)までの接線の方程式や面積を求める設問は基礎から標準レベルであるが、(3)の面積を場合分けして求める問題は積分計算の量も多く、しかも的確な図が描けないと難しい。完答するためには、かなりの実力が必要である。 「数列(選択問題)」 '08年…配点20点(10.2点)/'07年・配点20点(6.8点) (1)は等差数列の一般項と和に関する基本問題。(2)は、昨年に続いて漸化式の問題。(2)の漸化式は昨年の問題よりもかなりレベルが高く、丁寧な誘導があるとはいえ、2次試験レベルの対策をしていない受験生には、設問の意味を理解することすら難しかったであろう。 「ベクトル(選択問題)」 '08年…配点20点(10.1点)/'07年・配点20点(7.5点) 空間ベクトルの内積計算を中心とした問題。昨年より計算量は少なく内容も頻出のものばかりだったが、いきなり大きさから内積を求めさせたり、これまでは必ずあった分点比を設定する誘導がなかったり、立体が正しくイメージできないと体積が求められなかったり、基本ができていないと難しい問題であった。 「統計とコンピュータ(選択問題)」 '08年…配点20点(10.8点)/'07年・配点20点(8.2点) 最低気温と最高気温の相関図から、平均値、分散、中央値などを求める問題。問題文が長く(4ページ)計算量も多いが、すべて具体的な数値が与えられているので全体としては易しい。データの入力ミスを修正する後半部分が、手際よく処理できるかがポイントである。 「数値計算とコンピュータ(選択問題)」 '08年…配点20点(6.1点)/'07年・配点20点(2.3点) ユークリッドの互除法を用いて2数の最大公約数を求めるプログラムを完成させ、さらに最小公約数を求めるプログラムに変更する問題である。プログラム自体は有名なものであり難しくはないが、第5問と同様に問題文が長く(4ページ)整数の知識がないと完答は厳しい。 |
