大学受験「旺文社パスナビ」トップ合格サポートトップ>センター出題予想&高得点への対策法
芝高等学校 庄司 憲仁 先生
成蹊大学非常勤講師。専門はコロイド化学。『全国大学入試問題正解 化学』の解答者、『センター試験 傾向と対策 化学T』『頻出重要問題集 化学T、化学T・U』(旺文社)など執筆多数。
20年センター試験はこうなる!?
 新課程になって3回目になる20年入試であるが、前2回の出題傾向を踏襲するものになるだろう。つまり、大問数4・解答数28程度で、全範囲から広く浅く出題され、複雑な計算をさせるより、広範な知識・思考力を要する問題に重点が置かれよう。難易度的には19年の平均点からみて、多少易化の傾向をとる可能性が大きい。第1問は小問集合形式で、「化学と人間の生活」に関連した問題が他の大問中の問いと合わせて2〜3題のほか、2分野にわたる融合問題形式もいくつか出題されるであろう。

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大問別 20年の出題を徹底予想!
多段階思考を要するグラフと計算の融合問題の増加に要注意!
大問別平均点(過去2年分の配点と平均点)
【第1問】 小問集合
19年…配点 25/平均点 18.4   18年…配点 25/平均点 20.2
【第2問】 物質の変化
19年…配点 25/平均点 17.1   18年…配点 25/平均点 15.1
【第3問】 無機化合物の性質
19年…配点 25/平均点 14.6   18年…配点 25/平均点 16.2
【第4問】 有機化合物の性質
19年…配点 25/平均点 15.2   18年…配点 25/平均点 14.4
※「大問別平均点」は旺文社の集計による数値
第1問 化学の基礎/化学と人間の生活
基礎事項以外に化学と人間の生活も要注意
 原子の構造・電子配置・原子や分子に含まれる粒子の数などの基礎事項は、毎年いずれかが3問程度出題されているので、全問正解を狙いたい。また、濃度の計算などの簡単な理論分野や無機化学の元素の性質についても出題されているので注意が必要である。原子・分子にからめて化学結合に関する簡単な問題も出題されるので一応目を通しておきたい。
 化学と人間の生活からの出題については、化学工業関連の問題や身近な化学物質の性質についての問題が多く、無機化学や有機化学で学んだ基礎的事項を総合した内容のものであり、一般的知識とあまり変わらないレベルの問題で構成されているので対応は難しくはないだろう。
第2問 理論化学分野
理論化学は状況の把握と慎重な計算で対応
 第2問は理論化学が中心で、最も時間を要する部分である。物質量と反応の量的関係・ヘスの法則・酸塩基・酸化還元反応・電気分解などが必出である。ただし、最近は複雑な数値計算をしなくても答えが求まる形式も増加しているので、多少容易になっていると言えよう。
 もっとも、グラフの読み取りや多段階思考を要する問題が多くなっているので、その点は要注意である。すなわち、AからBであることを求め、したがって、Bだから答えはCであるという解き方を要求されることがある。このタイプは毎回正答率が低くなっているが、1つ1つを慎重に解き進めれば正答にたどり着くはずである。
ズバリ予想
化学反応の前後における物質中の原子の酸化数の変化に注目!
 理論化学ではこのところ酸化数の出題が見られないので、「酸化数の変化量の大小関係」や「酸化数が増大した原子の選定」などのほか、「化学反応式中の酸化剤や還元剤の指摘」などの出題が予想される。対策としては、どのパターンの問題でも、個々の原子の酸化数が正しく求められれば大丈夫。例えば、K2r27のCrの酸化数は+12ではなく+6であることが理解できていれば心配はいらないだろう。
第3問 無機化合物の性質
重要事項のみが出題される無機分野
 意外と点が取りにくいのが第3問で、おもに無機化合物の性質とそれにからんだ「化学と人間の生活」の分野からの出題であるが、量的関係などが融合的に出題されることもある。頻出分野は、アルカリ金属元素・アルカリ土類金属元素・ハロゲン元素なので、これらについては十分な対策を練っておきたい。できれば、両性元素・窒素の化合物・硫黄の化合物などにも対応できるようにしておくと安心である。また、ろ過・蒸留をはじめ、中和滴定の操作、気体の発生・捕集・乾燥など実験操作の方法や器具の扱い方のいずれかが出題されるので、正しい使い方や手順を理由と共にマスターしておきたい。
第4問 有機化合物の性質
酸素を含む化合物・芳香族化合物に注意
 異性体に関することがらやその数、アルコール・アルデヒド・カルボン酸は頻出項目であり、十分に研究しておきたい。異性体の数は順序よく数え上げることが早道である。芳香族化合物も範囲が広いが、ベンゼンからアゾ染料までの一連の反応やフェノール合成など、毎年ではないがしばしば出題されているので要注意である。また、必ず1問出題されるのが、センター試験特有の有機化合物の計算問題である。これは化学反応式を書いてみて、じっくり考えれば糸口が見つかるだろう。

高得点への対策法
分野を絞って
時間を有効活用しよう
センター対策の基本戦略
 化学の基本は何と言っても物質量と化学式である。物質量を確実に把握していないと、計算問題がおぼつかなくなる。基本的な計算問題で感覚を身につけておこう。また、物質の名称と化学式を結びつけ、単語帳のようにして覚えてしまおう。
高得点のカギはこれだ!
<1>基本問題が確実に解けるように基礎固めをしっかりやろう
 簡単な正誤問題の3点と面倒な計算問題の4点の差は1点だけだ。しかも、計算に時間を取られて間違ったら元も子もない。だから、基本問題を正確に確実に解ける力が大切なのである。易しめの問題集で100%の正答が得られるようにしておこう。
<2>得点差が大きい有機化合物の性質は早目に対策をとっておこう
 配点の4分の1を占める有機化学は比較的系統立っていて学習しやすい分野だ。しかし、高校の最後で学習するため、消化不十分のまま入試という恐れがある。したがって、有機化学の重点的学習で、他人との差別化が図れ、得点アップにつながる。
<3>頻出率が低いものは後回しにして得意分野と頻出分野に力を入れよう
 周期表、酸化・還元の反応式の完成、有機化学の元素分析、油脂・セッケンなどはまず出題されない。これらは思い切って後回しにするか切り捨てよう。逆に、頻出分野や得意分野は十分に実力を伸ばしておきたい。特に必出分野である熱化学、酸・塩基の中和などは自分のものにしておこう。

過去問100パーセント活用のポイント
新課程の過去問2回分は45分で解く
旧課程分は問題選択と時間設定して解く
 19年と18年の2回分は、できれば45分か長くても50分で解くつもりでやろう。それ以前の過去問を使う場合は、問題の選択と時間の決め方が重要である。「結晶構造」「気体の理論」や「溶液の理論」に関しての内容の問題は、範囲外なので除外してよい。わかりにくい場合は学校の先生にお願いして分類してもらおう。あとは、ざっと見て、1マーク当たり正誤問題なら1分、計算を要する場合は3分くらいの時間で計算し、トータルの時間を決めて解いてほしい。あくまで、実際と同じ状態でやることが大切。解きながら、センター試験特有の質問の仕方や組合せで答える方法などを実感するとよい。なにしろ、本番では見直す時間はないので、1つ1つを確実に解いていく訓練を積んでおきたい。
●目標点突破へのプロセス●
STEP.1 まずは平均点確保!
●頻出問題の中の基本問題に的を絞ろう。原子やイオンの構造、物質量、反応の量的関係、熱化学、酸化数などは完璧にマスターしておくこと
●出題頻度が低い項目は切り捨てよう。物質の分離、基礎法則、元素分析、油脂、セッケンなどがある。これらは、たまにしか出題されない
  ↓
STEP.2 いけるぞ8割突破!
●失点しやすい理論化学を得点源としたい。そのためには原理・法則をきちんと理解してから問題を解き、答えを見ずに自力で正答が出せるようになるまで繰り返し解くことが求められる
●無機化合物や有機化合物は暗記主体なので、理解しなくても、暗記量に比例して実力は伸びる。ひたすら暗記すること

  ↓
STEP.3 完全攻略で満点だ!
●満点奪取も可能である。時間がかかる融合問題では、複数の現象を切り分けて考えること
●ひねった問題や落とし穴のある問題、まぎらわしい選択肢がある問題には、普段から細心の注意を払って問題を解くようにする。弱点分野があるときは、その問題を数多くこなしておくこと


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