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−「志望校の決め方」編−
横浜市立大学 医学部 医学科 1年 牧島弘和くん
慶應義塾大学 理工学部 学門2 1年 酒井一樹くん
東京農工大学 工学部 電気電子工学科 1年 井出翔太くん
※この記事は『螢雪時代6月号』より転載いたしました。

横浜市立大学 医学部 医学科 1年
牧島弘和くん


自分自身を客観評価することが大切!
受験勉強データ

得意科目=英語,化学,生物
不得意科目=数学
1日の学習時間=10時間(授業含む)
志望校決定の時期=高3の1学期

センター試験の成績
(自己採点結果)
総合点=785点(900点満点)、得点率=87.2%
*< >内は目標としていた点数
外国語(英語)
185点 <200点>
数学1(数T・A)
96点 <100点>
数学2(数U・B)
96点 <100点>
国語(国T・U)
135点 <180点>
地歴(地理B)
91点 <90点>
理科1(生物IB)
96点 <100点>
理科2(化学IB)
86点 <95点>
◆好きな科目からアプローチする
 私が将来,何をするかについて考えだしたのは,中3の夏ごろだったと思います。候補にあがったのは医師,生物の教師,外交官,研究者でした。そのころから語学や生物に興味があり,それらを活用する職業に就きたいとは思っていましたが,あれがいい,これも悪くないと,かなりいいかげんに考えていたことは事実です。
 科目では歴史が苦手,倫理も苦手,国語だって決してよくはありませんでした。一方,理科は好きだったので,理系を選択することに決めました。ここで,医師,教師,研究者に絞られたわけですが,どれも生物絡みの職業で私に合いそうでした。

◆将来の職業を目指して志望学科を決める
 やがて高3になりましたが,3つそれぞれに魅力があり,ひとつに絞りきれません。かなり悩んだ末に気づいたことがありました。それは,自分は人と話すのが好きなんだな,人相手の仕事がしたいんだな,ということです。自分について思い当たる節はいくらでもあったのです。
 こうして医師と教師が最後に残りました。もちろん,生物の教師も人を相手にする仕事です。しかし,4年間生物部をやってきて生命の尊さと神秘を知る私にとって,生命とじかに触れていられる医師という職業は無限の輝きを放っていました。そしてついに,3年かけて志望学科が決まりました。

◆オープンキャンパスに参加して志望大学を決める
 次に,大急ぎで志望校を決定する必要がありましたが,それにはオープンキャンパスがかなり参考になりました。オープンキャンパスは大学によって形式も熱意もまちまちで,各大学の姿勢がそのまま表れていたのです。なかでもいちばん受験生の質問にしっかり的確に答えていたのが,横浜市立大学でした。唯一,小論文と面接の配点について言葉を濁していましたが,それも14年度から募集要項に明記するようになりました。また,患者取り違え事故の報告書を読むと,この大学が組織としてまだ若くて硬直化しておらず,変革を恐れない大学だということがわかりました。こうして志望校を横浜市立大学に決めたのが,高3の2学期,本当に直前です。
 志望校,特に志望学科を決めるのに大切なことは,自分を客観評価すること,つまり,自己分析をすることだと私は思います。時間をかけて,ゆっくりとやっていけばよいのです。願書提出までに決めればいいのだから,焦る必要はありません。



慶應義塾大学 理工学部 学門2 1年
酒井一樹くん


志望校のランクを下げるのはやめよう
受験勉強データ

得意科目=英語,数学,物理,国語(現代文)
不得意科目=国語(古文),地歴・公民
1日の学習時間=10時間(授業含む)
志望校決定の時期=高3の春

センター試験の成績
(自己採点結果)
総合点=687点(800点満点)、得点率=85.9%
*< >内は目標としていた点数
外国語(英語)
175点 <185点>
数学1(数T・A)
100点 <100点>
数学2(数U・B)
94点 <100点>
国語(国T・U)
150点 <170点>
地歴(地理A)
68点
公民(倫理)
64点 <85点>
理科1(物理IB)
100点 <100点>
理科2(化学IB)
65点
◆周りから刺激されて志望校を決める
 志望校を決める理由は人それぞれにあると思いますが,僕の場合は,高3のあるときに予備校の合宿に参加したことが,志望校を決定するきっかけとなりました。
 それまでは,明確な志望動機を持っていなかったために勉強量は少なく,しかもいいかげんだったような気がします。しかし,その合宿に行ってから僕は少し変わりました。将来のビジョンをはっきりと持ち,そのためにがんばっている他の生徒たちを見て刺激されたのも原因のひとつですが,自分と同じ大学を目指している人や,実際にその大学に通っている先輩方と知り合えたことが,いちばんの原因だったと思います。
 みんなで話し合うための時間が合宿中にあったのですが,それぞれにいろいろな意見,価値観を持っていて,話を聞くたびに感心し,「自分もがんばらなくては…」という気持ちが芽生えました。そして,この人たちといっしょに大学生活を送りたいと思ったのです。

◆いたずらに志望校のランクを下げない
 それ以来,僕の受験に対する態度は大きく変わりました。断固たる決意ができたおかげか,「なんで勉強なんてやるのだろう?」というたぐいのことを考えなくなり,目標に向かってひたすらがんばることができました。精神的にも成長できたし,今では受験をして本当によかったとも思っています。
 確かに,ツライことはいくつかありました。今から受験を迎える皆さんも,そういう経験を幾度となくすることでしょう。しかし,それから逃げてばかりでは何にもなりません。努力する前から自分を過小評価して志望校のランクを下げたり,安易に逃げ道を作ったりせず,最後まであきらめずに初志貫徹してほしいと思います。

◆”行ける大学”ではなく”行きたい大学”を目指す
 そのためにも,まずは“本当に行きたい大学”を探し出してください。そういう大学を見つけることこそ,有意義な受験生生活を送るための第一歩です。僕のように合宿などに参加してもよいし,オープンキャンパスを利用してもよいでしょう。
 どんな大学生活を送りたいか,将来どうなりたいか,それをしっかり考えてがんばってください。“行ける大学”ではなく,“行きたい大学”を目指すのが志望校選びの最大のポイントです。そうすれば,結果はどうあれ,よい経験ができるし,結果もちゃんとついてくる,そういうものだと僕は思います。



東京農工大学 工学部 電気電子工学科 1年
井出翔太くん


将来の夢につながる志望校・志望学部を選ぼう
受験勉強データ

得意科目=地歴・公民
不得意科目=数学
1日の学習時間=7時間(授業含む)
志望校決定の時期=高2の3学期

センター試験の成績
(自己採点結果)
総合点=654点(900点満点)、得点率=72.7%
*< >内は目標としていた点数
外国語(英語)
159点 <160点>
数学1(数T・A)
80点 <85点>
数学2(数U・B)
86点 <85点>
国語(国T・U)
90点 <160点>
地歴(地理B)
71点
公民(現代社会)
81点 <90点>
理科1(物理IB)
76点 <90点>
理科2(化学IB)
82点 <85点>
◆志望を成績によって決めたくない
 僕は志望校を決める以前に,理系か文系かの選択でもたいへん悩みました。成績が理系というより文系に向いていたからです。しかし,成績で決めるという,ありきたりで,自分の意志がないような決め方をしたくはありませんでした。自分の興味のあることと志望を結びつけたかったのです。
 僕はF1(レーシングカー)が好きだったので,F1に関係するような職業に就きたいと思い始めました。そこで,僕の応援しているホンダがF1のエンジンを作っていることから,まず機械工学科が志望学科として浮かんできました。

◆志望の範囲は広げてもよい
 しかし,工学部のある大学は数多く,どこの大学を志望するかについては決め手を欠いて悩みました。
 そんなとき,自分が小学生のころに宇宙飛行士になりたいと言っていたのを思い出し,航空工学も志望範囲に加えました。航空工学のある大学は少ないのですが,宇宙飛行士の若田光一さんの卒業校である九州大学を選びました。周囲からは「なぜ近場の大学を選ばないんだ?」「ひとり暮らしはたいへんだから,あえてするもんじゃないぞ!」などと言われても,以前からひとり暮らしへのあこがれもあったし,遠いということも逆に追い風になったようです。
 また,F1については,以前から「電気系統のトラブル」という問題が気になっており,機械にとって重要な要素である電気も志望学科に入れました。

◆志望を実現し、これから夢を現実に
 結局,航空・機械・電気という3種類について志望校を決めました。現在,受験を終えて,3種類のひとつに落ち着いたわけですが,大学がゴールではありません。それぞれの大学にはそれぞれの長所や特長があります。それらをどれだけ吸収できるかにかかっていると思います。今度は,その結果が将来の夢を現実にしてゆくのではないでしょうか。