荒木 絢 さん
東京大学/文科I類/1年生

・千葉県立千葉高校(平成13年度)/出身
 
 
いつ頃から本格的に「受験勉強」を始めましたか?
センター試験対策、二次試験対策…は、それぞれいつから、どんな方法で勉強しましたか?(また、私立大の受験対策は、いつから、どんな方法で?)
東京大学に行こう! と決めたきっかけは何ですか?
荒木さんの「不得意科目」は…? その克服法は…?
高校時代はクラブ活動をされていましたか? 受験勉強との両立はどうでしたか?
「予備校」はどのように活用されましたか? メリットは何でしたか?
受験生時代の4〜6月は、どんな勉強法をとっていましたか?(各月ごとの勉強時間も含めてお教えください)
「模擬試験」の効果的な活用法があればお教えください。
受験生時代に役立ち、後輩たちにも薦めたい参考書・単語帳・資料集…があれば、「書名」「出版社名」と「役に立ったポイント」をお教えください。
受験生時代に、一番つらかったことは何ですか?
荒木さんの将来の「夢」は何ですか? また、そのために大学ではどんなことをしたいと考えていますか?
最後に、後輩・受験生たちに一言アドバイスをお願いします。

いつ頃から本格的に「受験勉強」を始めましたか?
私が受験勉強を始めたのは高校3年になってからです。
私の通っていた予備校では、高校2年の3月から“3年生”扱いとなるのですが、さすがにこの時期には、まだ3年という実感がわかず、予備校の講座はとってはいたものの、特別な「受験勉強」はしていませんでした。
けれど、4月になってからすぐに受験生モードになれたわけでもなくて大変でした。勉強しなくては…とは思うのですが、新しいクラスに慣れたりするのに疲れていたこともあって、4月・5月ごろはなかなか勉強に身が入らず、とても焦りました。
だから私の場合、本格的な受験勉強を始められたのは、高校3年の6月以降です。ほかの人より多少遅かったかもしれませんが、それでも現役で合格できたのは、東京大学一つに的をしぼった効率的な勉強をしたからだと思っています。
受験勉強は、量をこなさなければならない部分も確かにあるので、“量”を完全に否定するわけではありませんが、やっぱり(効率的な部分での)“質”は重要だと思いますね。


 
センター試験対策、二次試験対策…は、それぞれいつから、どんな方法で勉強しましたか?(また、私立大の受験対策は、いつから、どんな方法で?)
まず「二次試験対策」ですが、私は最初から東京大学以外に進学するつもりはなかったので、受験勉強の開始時…つまり高校3年の初めからずっと東京大学の二次試験に合わせた勉強をしていました。
もちろん、いきなり最初から入試レベルの問題を解くことはできませんが、東京大学の二次試験はとにかく記述量が多いので、どの教科でも基本的に記述をメインにやるように心がけていました。
具体的には、
「現代文」は、抽象性の高い文章に慣れておきたかったので、論説文読解を中心にやりました。
「古文」は、必要な語を補って訳す練習をしました。
「英語」は、苦手な要約を主にやりました。
「数学」は、答案を細かく書きすぎるクセがあったので、東京大学の二次試験と同じように、1問の答えをB5の紙に収める練習をしました。
ただ「社会」の記述の練習を始めたのは、10月ごろとかなり遅かったですね。

次に「センター試験対策」ですが、センター試験科目のうち、国語や英語のように二次試験と重なっているものには、特別な対策はしませんでした。ただ、センター試験は時間配分が命なので、センター試験の過去問集を買い、時間を計って解き、時間配分の練習をしました。
センター試験でしか使わない科目(私は『政経』と『生物』でした)は、11月末ごろから重点的に勉強しました。特に予備校の講座はとらず、参考書や問題集を買って、それをコツコツ解きました。

最後に「私立大の受験対策」ですが、これははっきり言って、ほとんどやりませんでした。けれど、全くやらないのも不安だったので、私立大の入試日の3日前から、その大学の過去問を3年分解いておきました。(編集部・注:荒木さんは慶應義塾大学・法学部法律学科にも合格)



 
東京大学に行こう! と決めたきっかけは何ですか?
私は中学2年のころから、大学で何を勉強しようかと考えていました。その当時は、理科系科目の方が得意なこともあり、文系よりも数学や医学などの理系の方に興味がありました。けれども中学3年になって始まった「公民」の授業がとてもおもしろく感じられたため、法学部進学を意識するようになりました。
ところで、私は、大学に進学して勉強するからには、大学で学んだことを生かせる職業に就きたいと考えていました。これと私の興味を合わせると、医学部に進学して医師になるか、法学部に進学して公務員になるか…とういうことになったのですが(弁護士にはあまり興味を持てませんでした)、医学部は卒業するだけでも6年間かかる上に、医師になるにはさらにインターンなどもしなければならないので、「就職」までに非常に時間がかかってしまいます。それに対し法学部なら4年間で卒業できるし、公務員は安定しているし、一般の企業よりも女性差別も少ないのではないかと思い、法学部進学を決心しました。そして国家公務員I種の合格者が最も多いのは東京大学だと知り、東京大学に行こう!と決めたのです。高校1年の時でした。


 
荒木さんの「不得意科目」は…? その克服法は…?
私の不得意科目は「地歴」でした。
どのくらい嫌いだったかというと…、高校3年の“文理選択”の時、すでに法学部に進学しようと決心していたのにもかかわらず、「地歴」から逃れたい一心で、本気で理系に行こうかと考えたくらいでした…。
でも、法学部にどうしても行きたかったので、1年間かけて克服しようと決心しました。
私の「地歴」嫌いの理由は2つ。
1つは「地歴」につきものの地図が嫌いだったから。もう1つは単純に「地歴」を勉強していなかったため、「地歴」がまったく分からなかったからでした。

第一の理由に対しては、1年間で根本的に解決することは無理だと思ったので、消極的解決策をとりました。まず、東京大学の二次試験では「地歴」が2科目必要ですが、地図からできるだけ遠ざかるため、「地理」を避けて「日本史」と「世界史」を選択しました。そして「日本史」や「世界史」を勉強する時も、どうしても必要という時以外、地図を見ないで勉強しました。地図を使った方が理解は深まるし、地図問題が出題される可能性もあったのですが、私としては地図から受けるストレスを回避することの方が重要だったのです。
けれども、正直言ってこの解決策はそれほど成功しなかったと思っています。やはり「歴史2つ」の負担はものすごいし、本番の東京大学の二次試験で地図問題が出題されて、私は痛い目を見ました。

次に第二の理由に対してですが、これはとにかく勉強あるのみ!ということで、先生探しから始めました。ちょうど「世界史」の先生で、自分に合う!と思える先生が見つかったので、ひたすら世界史を勉強しました。先生を全面的に信頼し、先生が覚えなさい、と言われたことは、とにかく書いて、次の授業までに暗記しておくようにしました。地図嫌いというハンデを克服しようと一生懸命でした。この結果、「世界史」が次第に分かるようになり、だんだんと好きになっていきました。単なる一問一答式の問題だけではなく、論述問題も解けるようになり、「地歴」を克服することができました。

私が「地歴」を克服できたのは、この人ならついていける!と思える先生を信じて、ひたすら勉強したからだと思います。また「ひたすら勉強」する時「地歴は苦手だから…」と思わないようにしたことも良かったと思っています。「病は気から」じゃないですけれど、苦手科目を意識しすぎないようにすることも重要だと思います。



 
高校時代はクラブ活動をされていましたか? 受験勉強との両立はどうでしたか?
私の入っていた部活は、高校3年進級と同時に引退だったので、受験勉強とは重なりませんでした。



 
「予備校」はどのように活用されましたか? メリットは何でしたか?
私は高校入学と同時に予備校に通い始めました。そのころすでに、東京大学を受験することは決めていましたが、特別な対策をするわけでもなく、何となく通っている…という感じでした。
しかし、東京大学の二次試験は「地歴」が2科目必要ということで「日本史」「世界史」を選択した私は、高校2年から予備校では日本史の講座をとり始めました。高校より一歩早く「日本史」の学習を始められたことはとても良かったと思います。
また、受験生になってからは自習室を積極的に利用しました。私は、2学期にひどいスランプに陥って、家で勉強することができなくなってしまいました。そこで、予備校の授業の有無にかかわらず、毎日放課後、予備校の自習室に通うことにしました。自習室で自分と同じ受験生に囲まれることはよい刺激になり、スランプから脱することができました。予備校の自習室は図書館の自習室などと異なり、高校生しかいないし、定休日もないのでとても助かりました。
予備校は確かにハズレの講座があったり、通学に時間をとられたり…という短所があるかもしれませんが、ハズレの講座だと分かったら、その講座はきっぱりと切り捨てて出席しないようにすべきでしょうね。また、通学中も英単語などの暗記はできるので、個人的には自分に合った予備校を見つけて通うのがいいと思います。予備校に行かずに通信教育だけで合格した友達もたくさんいるので、後輩の受験生のみなさんすべてに予備校の利用を積極的に薦めるわけではありません。結局は本人次第だとは思います。


 
受験生時代の4〜6月は、どんな勉強法をとっていましたか?(できれば、各月ごとに、勉強時間も含めてお答えください)
4月はまだ受験生だという実感がわかなかったことや、知らない人ばかりの新クラスに慣れるのに疲れたことなどから、あまり熱心に勉強はしていませんでした。勉強時間は1日2〜3時間と短く、教科は得意な「英語」と勉強し始めたばかりの「世界史」くらいしかやっていませんでした。

5月ごろからは、もっと「現代文」の力を伸ばしたいと思うようになり、それまでの「英語」と「世界史」に「現代文」を加えましたが、勉強時間はそれほど変わりませんでした。

6月ごろから本格的な受験勉強を始めました。「英語」「世界史」「現代文」だけでなく、「古文」「数学」「日本史」も勉強するようにし、勉強時間も1日5〜6時間にしました。また、4、5月は予備校の予習・復習が不十分だったので、それを完璧にするようにしました。




 
「模擬試験」の効果的な活用法があればお教えください。
まず、模擬試験は受けるべきでしょうね。特に「東大実戦模試」とか「東大入試プレ」などの東京大学の二次試験に合わせて作られた模試を受けるといいと思います。そのような模試は、問題だけでなく解答欄や紙質まで本物そっくりに作られているので“試験慣れ”ができます。そのおかげか私も本番で不思議なほど緊張せずにすみました。また「時間配分」の練習にもなります。
でも、模試に関して最も大切なことは、受けっぱなしにしない、ということです。バツばっかりで、D、E判定の答案なんて見たくない…という気持ちは分かりますが(実際私もそうでした)、復習は絶対するべきです。模試の判定は気にしないことが一番です。私も最後の模試で出した“C判定”が最高でした。けれどクヨクヨしていても状況はよくなりません。
これは私の友達の言葉ですが、『模試を受験した時の順位は低くても、復習を完璧にやれば1位になれる!』…このくらいの前向きの気持ちでがんばりましょう!


 
受験生時代に役立ち、後輩たちにも薦めたい参考書・単語帳・資料集…があれば、お教えください。
『速読英単語』(増進会出版社)…普通の単語帳は英単語の列で飽きてしまうのですが、これは長文と単語がセットになっているので飽きずに取り組めました。特に「英語」(長文)好きの人にオススメです。
『中嶋の生物IB入門』(代々木ライブラリー)…「入門」というだけあって、とにかく取り組みやすく、教科書を読まなくても、センター試験はこれだけで十分だと思います。



 
受験生時代に、一番つらかったことは何ですか?

「不安」と「ストレス」でした。
大学入試は高校入試などと異なり、“強敵”の浪人生がいることがとても不安でした。また、模試で悪い判定が出ることも不安でしたね。けれども不安だからといって、悩んでいても状況が変わるわけじゃないと思って、「不安は勉強することでしか消せない」を合言葉にがんばりました。やっぱり、浪人生のことや模試の判定は意識しすぎないようにするといいと思います。
それから…。私は文系ですが、たまたま私の友達が全員理系だったため、高校のクラスには、最初「受験についての不安」などを話せる親しい友達がいなかったし、理系の親しい友達と受験について話そうとしても、科目が違って話がかみ合わないという状態だったので、受験に関する「ストレス」がなかなか発散できずにつらかったです。
でもしばらくたって出来た高校のクラスや予備校の友達と、おしゃべりをしてストレスを発散し、家ではマンガを読んだり音楽を聴いたりして気分転換をしました。

受験の1年間はやはり長いです。自分なりの気分転換やストレス発散の方法を見つけておくと良いと思います。




 
荒木さんの将来の「夢」は何ですか? また、そのために大学ではどんなことをしたいと考えていますか?
私の将来の「夢(目標)」は、国家公務員I種の試験に合格することです。
公務員になって一生懸命働きたいと思っています。けれども、行政についてくわしく勉強したことがあるわけではないので、希望する省庁は特にありません。
そこで、大学では「法律」「政治」「行政」などについてしっかりと学んで、自分に合った省庁・興味の持てる省庁を見つけたいと考えています。そぢて、自分の希望の省庁が決まったら、そこを目標に、国家公務員I種の受験勉強をがんばるつもりです。
競争意識のない公務員は、一般企業の会社員よりも甘いとよく言われます。けれども、BSE問題や“族議員”問題で揺れ動く省庁に、今、変革が求められています。私は、その変革を起こす力の一部になってがんばりたいと思っています。


 
最後に、後輩・受験生たちに一言アドバイスをお願いします。
よく言われることかもしれませんが、大学合格はスタートであってゴールではありません。自分はどうして大学に行くのか、なぜその大学がいいのか、大学に入学したら何をしたいのか…と自問自答して、目的意識をしっかり持っていれば、つらい受験勉強もやり遂げられるはずです。1年間、がんばってください。

  *荒木絢さんは、2001年度のパスナビ・メールマガジン『受験生通信』で「目指せ!東大 今週の絢ちゃん」というコーナーで日記風エッセイを書いてもらっていました。そして“公約”通りに2002年入試で東大に合格! みなさんも荒木先輩に続こう!