さあ、いよいよ夏休み! ってことで、意気込んでる高3生はいっぱいおるんやろうけど、とりあえず勉強せなあかんと思って突然始められるわけはないわな。一学期の終業式が終わり、学校に行く必要がなくなった。とりあえず休みになって勉強しないとあかんという自覚はある。でも、意気込んでもしょうがないかと思っている人は、「朝起きたら もうすでに昼やった」なんてことになりかねない。
人間ってのは、自由時間の使い方でその人間の成功度が決まるって言っても過言じゃないぐらい、自由時間ってもんに慣れてない。というわけで、自由時間に慣れてない人は自ら「不自由な環境」を作ってしまおう。朝起きて何をしたらええかわからんって人は、とりあえず夏休み中に制覇したい本を机に並べ、それを絶対に潰すと決める。そしてそのための計画を立てるんや。そうすれば、朝起きて何をしたらええのかわからんっていう状態からは脱却できる。
僕と同じ「ぐうたら星人」な諸君は、そうは言っても計画通りに物事を進める自信がなかろう? そんな人は、絶対に日課表(1日単位の計画表)は作ったらあかん。日課表の場合、今日やるべき分が終わらなかった場合、その分を明日に上積みせなあかんことになる。そうして明日のその分が終わらなかったら、明後日にとてつもない分量が上積みされることになり、夏休み3日目にして挫折! ってことになりかねん。
日課表やなくて、せめて週単位の計画表を作ろう。8月の第1週にこれだけ終わらせる。次の第2週にはこれだけ終わらせるって感じやな。学校の補習などがある人は、その計画に合わせて、自分の勉強の計画表を作らないかんのは言うまでもない。先生の授業と自分の計画とで、9月になったらパワーアップした自分を友達に見てもらおうや!
夏休みは長い。補習はあるかもしれんが、実質的に40日間もある。センター試験は1月、大学別の入試は2月頃や。まだまだ余裕がある。夏の時点で過去問にあたれる人はまだ少ないんやないかなぁ。過去問ってのは、覚えることを覚え、類題を何度かやってみて、力がそこそこついたという人が、模試とか入試の前に力試し的にやってみるもんや。逆に力がないのに過去問をやったって、ボロボロになって自信を失うだけで、意味がないわな。
灘高でも過去問に手を出すのはいくらなんでも早いやろうって思う生徒が、まるでファッション的に小脇に赤本を抱えて歩いているのを見ると、極めてヤバイ状態やなぁと思わざるを得ない。力がついてると思っている教科や科目だけ始めるってのは構わんよ。でも不得意教科や科目については、「覚えるべきことを覚えてないから苦手なんや」という姿勢を忘れないで、ではどこを覚えればいいのかという観点で勉強を進めるべきや。
昔っから「夏を征するものは受験を征す」って言うてね。まぁそんなこと言い出したら高2の夏にも「この夏は大事やぞ」と言われたやろうし、高3になったらなったで「ここから数か月で決まる」なんて言われたやろうから、なんとなく「もうダマされへんで」と思ってる人も多いかもしれんが(笑)。しかしこの夏休みに関して言えば、間違いなく失敗したらもうかなりヤバイと思うわ。先月号でも触れたとおり、9月あたりから実戦的な勉強に入らないとあかんわけで、そのためにはこの夏までに基本的な要素を徹底的に覚えてしまったり解法を身につけてしまったりしないとあかんからや。秋になって英単語帳の第1章の単語を知らないってことになると、難関大学どころかセンター試験レベルもまずいってことになる。その点で、夏休みはなんと言うても基本をマスターする最後のチャンスってことになるんや。
それだけやない。夏ってのは暑い。体力が落ちるだけやなくて、精神的にも参ってしまう人が多くなるねん。これは受験生だけやなくて大人でもそうや。百戦錬磨な営業マンでも夏はたまらなくツライ。大人はスタミナドリンクを飲んで、ビール飲んで、しっかり睡眠をとって、よし明日から頑張るで! って感じの切り替えをしながら乗り切るんやけど、高校生は「どうせ学校ないわ」と高をくくり、気がついたら朝寝て夜起きる生活になっていたりするわけ。どうや、大丈夫か?
これでは100%のパフォーマンスを発揮できへん。自分の能力を活かすためには、体力的にも精神的にもちゃんと管理をして、とにかく目の前の計画を潰すことに集中すること。そうしたら勝機は見えてくるわ。基本的な生活習慣を確立し、そして勉強に関しては自分の将来をしっかり見据えて頑張るねん。体を動かしていないと体力は落ちるから、夕方多少涼しくなってから散歩でもしたらいい。見慣れた町でも「こんなところにこんな店があったんや」という新しい気づきがあったりして、気分転換にもなる。そうやってコントロールするねん。この夏を受験生としての最後の夏にしろよ。来年は大学生として夏を迎えようや!
ぐうたら星人諸君! 日課表でなく
週単位の計画表を作るのだ!
支えられて「今の自分」がいる
僕らが毎日楽しく生きていられるのは、あるいは辛い思いをしながら生きていくことになるのは、人生の中心に「自分」という人間がいて、それを中心に回っているからで、もしも突然今の自分が「自分」ではなくなったら、きっと楽しさも苦しさもなくなってしまうんやと思う。アルツハイマーという不治の病にかかり、徐々に自分を失っていく主人公と、それを支える奥さんの姿を描いたのがこの『明日の記憶』なんやけど、僕は映画を見て泣きに泣いた。そして原作を読んでさらに泣いた。
周囲の人たちから忘れられる苦しさよりも、自分が自分を忘れてしまう苦しさを思って、この病気に対する認識、そして自己に対する認識を、新たにした。自分が自分でいられるのは周囲の人のお陰であると同時に、自分自身が支えているから。今の自分は、自分の今までの努力や営みを積み上げてきたお陰なんやなという思いで、この本を読んでほしい。
ブログ「もっと高く! もっと 遠くへ!」は受験生の間で大人気。
著書『夢をかなえる英単語 ユメタン』 (アルク)など。


