目的地への道は1本じゃない!
何に「こだわる」か決めよう。
いろんな社会人と話していて面白いなと思うのは、「受験に失敗したお陰で甘えが消えて、ビジネスでも油断大敵を座右の銘としている」という大企業の社長がおられれば、「第3志望の大学に進んだけど、そこで今のダンナと出会った」という奥さまもおられること。かく言う僕も、第1志望の慶應義塾大学に落ちて、関西学院大学に行くことになった。でも、そのお陰で大切な友人と出会えたし、現在のキャリアは関学の先生方にお世話になったからこそ。人生は、何がどうなるかわからんからこそ面白いんやな。
大学受験でも、たかが18歳の時点で成功したからといって、その後の人生も順風満帆とは限らんし、失敗したからといっても、上の例のように人生が好転することだってある。今の段階で人生の夢が決まってる人なんて少ないとは思うけど、「医者になりたい」とか「教師になりたい」とかいった職業の選択肢ぐらいは持っている人が多いよね。その場合、目的地への道は1本じゃない。いろんな道がある。
そうは言うても自分の人生やから、ある程度はこだわりも必要になるやろう。ただその場合でも、大学にこだわるのか、学部にこだわるのか、それともレベルにこだわるのかを決める必要がある。行く大学によって出会う友達も教わる先生も違ってくる。人が違うと人生が異なるのは言うまでもないわな。
大学時代に何をしたいのか?
やっぱりそれが問題やねん。
受験する大学や学部を考える際は、大学時代に何をするのか、あるいは大学でやったことを後の人生にどうつなげるのかを考えたほうがいい。以前から「就職に有利やから法学部」なんて言う人がおるけど、とんでもない話やなぁ。
僕はいろんな企業の社長と知り合いやけど、「法学部の学生は優秀だ」なんて聞いたことはないし、まして「文学部より法学部の学生を採用したい」なんていう会社はない。むしろ大学でどういうことを行ったのか、人とコミュニケーションをしっかり取れるか、ひどい扱いを受けても耐えられる精神的強さはあるか、などが採用の基準になってる。とすれば、「就職に有利やからこの学部」なんて考え方は、大昔に諸君のご両親の世代が聞かされた幻想なんや。
それより大学で何をしたいのかをメインに選ぶことが大事になる。つまり「この大学のこの学部でないとできない」ということがあるなら、併願なんてせず、そこ1本に絞って勉強しまくるしかない。
自分の人生や。自分で
責任を持って決めようや。
僕の教え子たちは、基本的に併願はせず、東大なら東大1本で勝負する生徒が多いねん。だからこそ模試でE判定やった子でも合格してくる。どうしてもここに行きたいっていう強い気持ちが最後の最後になって実力を押し上げるんや。
でも、いろんな事情があるやろう。併願する場合は、「この大学ならいいかな」と思うラインを考えることになる。例えば、東大の併願校を考える際に、早稲田や慶應ならいいけど関関同立までは落とさないぞ、というこだわりって大事やと思う。そりゃ大人(先生や両親)はいろいろ言うわな。でも自分の人生なんやから自分で選べばいい。親元を離れたい人は、東京の大学にこだわって選ぶかもしれん。経済に強い弁護士になりたいという人なら、法学部か経済学部にこだわるやろう。どこにこだわるかは人によって違う。自分と違う価値観を周囲の大人が持っているなら、それは説得するしかない。
ただし1つだけアドバイスしとくな。今まで数多くの教え子たちを見てきたけど、例えば数学の苦手な文系の人が経済や経営学部に行くと苦労するし、法律や政治に関心のない人が法学部に行くと、授業についていけずに困ることになる。自分の関心と学問の内容をよく吟味して決めなあかんよ。関心のあるものがない人は、「この大学なら胸を張って行ける」という大学を(仮に大学名のブランドで)選んでも、僕はええんやないかと思う。自分が行く大学なんやから、自分で責任を持って決めようやないか。