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条文の背景を行間を読むように考察すること
「憲法というと、自分とは関係がないと思いがちです。しかし、憲法は国のしくみの土台を定めた法であり、国は何ができて、何ができないのかを定めているのです。しかも基本的人権など私たちの生活に深く根ざしています」と大久保先生は憲法を知ることの重要性を説く。時代や社会の変化に対応して作られる様ざまな法律や他の国との関係も憲法が基本になっているのだ。
しかし、知ることイコール暗記ではない。中学、高校では憲法は暗記することに重点が置かれたが、大学では「考えること」にスポットがあたる。「法学部で憲法を学ぶということは、個々の条文はどういう背景があって成立したのか、なぜそのような条文が組み込まれることになったのかなど、条文の中には書かれていない事柄、つまり行間を読むようにして考察していくことなんです。だからこそ、おもしろいんです。例えば、憲法には戦争放棄を記した第九条がありますが、これについても様ざまな解釈がなされます。この授業では憲法というツールを使って、モノの見方や考え方、価値観の多様性について学ぶという側面もあるんです」。
自分と違う価値観に出会い、対応力をつける
先生は、このモノの見方や考え方、価値観の多様性を身につけることに重きを置いている。そのためゼミでは差出島(大阪学院が所有する島で通称学院島)へ合宿に出かけるが、昨年からは経済学部と合同で行っている。
「同じ法学部の学生でも、モノの見方、考え方が違います。ましてや、経済を学んでいる学生とではなおさら違います。しかし、価値観が違うからといって目を背けたり、排除するのではなく、自分と違う価値観に出会い、そういう考え方もあるんだと受け入れることが大切なんです。経済学部の学生と合同ゼミ合宿を行うのには、そういう意味があるのです」。
この試みはまだ始まったばかりだが、ゆくゆくは八つの全学部による合同合宿ができたらと先生は考える。社会に出れば、生まれも環境も年齢も違う人たちと仕事をしていくことになり、考え方の違いにとまどうこともある。そんなとき、他の価値観に対応できる能力を持っているのといないのとでは、仕事を進める上でも格段の差が出てくる。そういう意味で先生の試みは、学生の将来を考えた上でも極めて重要であると言えよう。
さて、そんな先生から受験生のみんなに二つのメッセージがある。一つは「新聞を読むこと」、二つは「おそれずに積極的に人前で話し議論すること」。今のうちに、少しずつでかまわないから、先生のメッセージを実践してみることをオススメする。
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