
セ試で高得点をとるのに、小手先のテクニックは不要。試験の実態を踏まえて、効果的な対策を考えていこう。
セ試の傾向に合致した対策を行うためにも、セ試の主な特徴を押さえよう。
事前に特徴を知り、効果的な学習を!
セ試では“ 重箱の隅をつつく” 問題は、あまり出題されない。出題のベースとなるのは教科書の内容。基礎力を問う出題ではあるが、だからといって簡単というわけではない。まずセ試のためにやるべきことは、教科書の内容をしっかり理解すること。そのためには何度も教科書を読み、その内容を繰り返し復習することだ。これを、学校の授業も活用して徹底的に行おう。
選択問題だから簡単、というのは早計。セ試では、似たような選択肢が複数ある場合があり、それを取捨選択して正解するには、ちょっとした慣れが必要なのだ。慣れるには、過去問などで演習をひたすら繰り返して、解法パターンをつかむこと。ある程度の量をこなすと解答形式に慣れてくる。演習をはじめるのは、教科書をひと通り読んでからでもOK。
セ試で高得点をとるには、早く正確に解くことが求められる。セ試は、多くの科目で言えることだが、試験時間に対して問題の数が多い。1問にかけられる解答時間が少ないのだ。すばやく正確に解くには、問題演習を重ねる必要がある。ただ、そうした訓練は、本番前の数か月で行えばいい。今の時期は、教科書を理解することに重点をおこう。
国立大のほとんどは、セ試で7科目を課す。それは偏りのない学力が求められているためだが、限られた期間で7科目まんべんなく対策をするのは、かなり大変。そのため、セ試対策では、効率よく基礎力を向上させ、総合点を上積みしていくことが課題となる。志望校の配点や、各自の得意・不得意科目などをもとにして、どの科目に力を入れるべきかを考えておこう。
セ試本番で何点とればよいのか。難易度データなどを参考に、各大学の合格ラインを想定しておこう。
受験科目が多い場合、すべての科目で満点を狙うのは非現実的。1点でも取りこぼさないようにと、細かい知識の吸収に躍起になっていたら、いくら時間があっても足りない。
セ試では、教科書の内容やそのレベルの問題に対応できれば、ある程度の合格点はクリアできる。だから、基礎をしっかり理解して、基礎問題でミスをしないように心がけること。
合格に必要なセ試の得点率の目安は、学部・学科にもよるが、旧帝大などの超難関大で8.5割、難関大で8割、中堅大で7割といったところ。蛍雪時代8月号に収録予定の『合格難易度データ』で、志望校の難易度を事前にチェックしてほしい。志望校が明確でなければ、7~ 8 割の得点率を目指して対策を行おう。
個別試験とセ試との配点は、大学によって比重が異なる。それによって学習時間の配分も変えることになるだろう。
国公立大の場合は、セ試と個別試験の総合点で合否が決まる。言い換えれば、セ試で失敗しても個別試験で挽回できるということだし、セ試で点数を稼いで“ 貯金” をつくれば、個別試験で余裕が生まれるということだ。
セ試と個別試験の配点は、各大学で異なる。基本的にセ試の配点は、7科目の素点で950点(英語リスニング含む)。なかにはセ試の配点を圧縮して少なくする大学もある。それは、セ試の配点比率を下げて、大学が作成する個別試験を重視しようという意図の表れだ。
一方で、個別試験の配点比率を低く設定する大学もある。セ試で求められる基礎力を重視していることの表れだ。セ試重視の大学を以下にまとめたので参考にしてほしい。
どこで得点をかせいで合格ラインをクリアするか。配点など入試の特徴や、成績の伸びシロなどを考慮して合格戦略を立てる!
ここで、戦略を練らないといけない。セ試と個別試験のどちらで、どのくらい点数をとって、合格ラインを超えるかを、ある程度考えておこう。それにより、今後の勉強時間の配分を決めていくのだ。
国公立大志望の場合は、セ試重視の大学か、個別試験重視の大学か、という選択も志望校を考える際の基準となるだろう。なかには、セ試の得点のみで合否が決まる学部もある。将来の志望や得意科目、学習の進度など、各人の状況に合わせて戦略を考えてほしい。ただ、まだ受験勉強を本格化させてから間もない時期だ。これから、どんどん学力は伸びるので、出願校については、学力の伸びシロも踏まえて、今後時間をかけて考えるのでも構わない。
セ試対策は、基本に忠実に。教科書や学校の授業を活用しつつ、地道に基礎を固めていくこと。具体的にその流れを見ていこう。
いまの時期に過去問を1~2年分解いてみよう。解答時間はまだ気にしなくていい。現時点で、どれくらい得点できるか確認する。志望校の合格ラインにどれだけ足りないかを把握するのだ。そして、現時点の学力と合格ラインとのギャプを埋めるために、どんな対策をするべきかを考えよう。学力はこれから上がるので、現時点の得点はあまり気にしないように。
過去問を解くことで、セ試の出題形式を肌で感じておくことも大事。前述のとおり、セ試は選択式で、その取捨選択の仕方に慣れが必要だ。今すぐにそれに慣れる必要はないが、前もって出題形式を経験しておけば、今後それを意識しながら学習を続けることができる。実態を知っておくのと、そうでないのとでは、学習効率に差が出てしまうだろう。
教科書の内容は、セ試のみならず、受験勉強の土台となるもの。何度も読んで、理解の抜け落ちがないように。そのために授業も活用して、復習をしっかり行うこと。そして、掲載されている基本問題は自力で解けるようにしておくこと。わからなければ、納得できるまで、教科書や参考書の解説を読み直すようにしよう。先生に聞くこともためらわずに。
教科書で1つの単元を読んだら、単元別の問題集を用意して、その類題にあたること。教科書からインプットしたその単元の知識を、演習によってアウトプットして脳に定着させる。また、類題をいくつも解くことで、その単元の出題傾向や、解法のパターンが、だんだんとわかってくる。ここで、一つひとつの単元をマスターしていって、点数の上積みをはかっていく。
セ試対策の仕上げは、過去問演習だ。これまでに積み上げてきた知識を、セ試の出題形式に合わせてアウトプットする。セ試の出題は毎年、その範囲や傾向に大きな変化はない。そのため過去問演習が、最も効果的な対策となる。より実戦に近づけるため、時間内で解けるように練習もしよう。セ試は問題の数が多いので、大問ごとの時間配分も考えておきたい。
間違えたら、その問の解説を熟読し、その原因を把握する。どんな知識や理解が足りなかったのかを確認するのだ。そうしてから教科書に戻って、その部分を再度読み込み、知識の抜けを補完しておく。また、単元別問題集にもあたり、その単元の解法パターンを復習しておく。ここで理解の抜けを補完できなければ、本番での失点につながる。事前に弱点をつぶすこと。
この記事は「蛍雪時代(2012年5月号)」より転載いたしました。