難関国立7大学英語

【東北大】
11年は記述力重視を前面に打ち出し、その点で難化した

《POINT》 記号解答式がすべて排除され記述式だけに

会話文問題の空所完成7問を含め、記号解答式を全廃し、京大同様の記述式オンリーの出題形式となった。


旧帝大系の国立大の中で純然たる記述式だけの出題形式を取っているのは京大だけであったが、11年から東北大もその仲間入りをした。東北大は北大と並んで私立大風の内容一致文選択設問等を多用している大学であったが、そうした記号式を全廃したのはかなりの英断として評価できる。
 ただし、この全問記述式が今後も継続されるかどうかは断定できない。今回の長文2、会話文1、英作文1の大問4題方式に安定するまで、東北大ではそれなりに変遷を経てきているし、長文の設問形式もかなりの変化を遂げているからである。特にユニークであったのは、2008年の長文の要約文6センテンスを整序させる設問であった。

《POINT》全問記述式とは言っても、京大との相違点は大きい

京大の長文読解2題中の6設問はすべて下線部和訳であるのに対し、東北大では下線部説明設問のほうが多い。


長文読解問題2題はいずれも問1~問5から成る。そのうち下線部和訳は4、比較的短い語句の説明設問が5、前置詞補充記述が1(3か所)となっている。京大の下線部は3行以上と長いものが多いが、よく見るといくつかのセンテンスに分割されていて、見かけほどの複雑さはない。東北大の和訳用下線部にも複数センテンスから成り立っているものがあるが、概して息の長い1文の場合が多く、複雑さは京大に劣らない。
 記述量では確かに京大が上回っているが、東北大の下線部説明では、本文中の表現を参考にして、自分の意見をまとめなければならないという難しさがある。特にこの下線部説明設問には、字数制限つきのものもあり、簡潔に解答文をまとめるテクニックが必要となる。長い日本文を書くことも大変だが、制限字数内で内容を解説することはそれ以上に大変かもしれない。

《POINT》長文のジャンルは理系・文系のバランスがよい

自然科学分野の評論文に、人文・社会科学系統の評論文かエッセイを配する工夫がされている。


11年の場合は、渡り鳥がその進路を知る方法を解説した論文に、成熟した人生観を披露するエッセイが組み合わされている。前者では分析的な理解力が、後者では、情緒面での高い感受性が必要となる。このように東北大では、理系と文系のどちらの学部の志願者にも公平になるよう配慮されている。試験時間100 分で、大問4題、長文の総語数は約1600語、1題を25分のペースで解答していけばよい。
 11年の理系論文の下線部中にwhat use are visual clues when a bird is above some apparently boundless ocean? という1文がある。本文はまず第1段落第1文で、How do migrating birds find their way? 「渡り鳥はどうやってその進路を見出すのか」と話題を提起しており、それに添って分析的に読み進んでいけば、この1文を見て「茫漠たる海上で視力は鳥にとってはたして役に立つのか」という意味だと即断できるであろう。そうした判断力のもとで日本文を構成していけば、かなり正確な訳文が完成するはずである。
 whatは疑問形容詞で、前半部分は「視覚的手がかりはどんな効力を持つか」つまり「目に見えるものが何の役に立つのか」であり、後半は「鳥が一見果てしのない海上にいるとき」となる。そしてこの文から読み手は、渡り鳥は必ずしも視覚だけに頼って飛行しているのではないかもしれないと推理できるのだ。
 また大問②のエッセイでは、筆者は「年齢」について自分の感慨を述べているが、彼は年齢とともに、人の本性や言葉は深みを増していくと語り、それは自分の偏見( my prejudices)だと謙遜している。設問ではこの my prejudices を40字以内で説明せよとある。この設問などは、筆者を老人と仮定し、ある程度の感受性を持って本文に接していないと、かなり難解な問題となる。

《POINT》全問記述式による最大の変化は会話文にある

この問題はガラリと趣向が変わり、会話文全体が課題となる自由英作文問題となっている。


東北大の問題をかなり過去にさかのぼって見ても、会話文そのものが自由英作文の課題となったケースはない。東北大の会話文問題は空所完成が定番であり、10年はそれに内容一致文選択(12肢5択)が追加されていた。ところが11年は会話文の内容を理解した上で英問への英答を記述する読解英作文といった趣向になった。英作文そのものは30語程度の簡単な文を作成するだけでよいのだから、特にあわてふためく必要はないだろう。

《POINT》 英作文にも文系・理系志願者双方への配慮が見られる

題材には著名人のエッセイが選ばれることが多く、その下線部英訳2問が定番となっている。


 11年は立花隆氏の『知のソフトウェア』の1節が選ばれ、アルキメデスが風呂の中で浮力の原理を発見した逸話部分が問題となっている。このように、文系・理系どちらの志願者にとっても興味をそそられるような題材が選ばれることが多い。10年には湯川秀樹博士の『旅人』が選ばれている。
 問題は、総じて知的好奇心を喚起させるものが多い。志願者は旺盛な好奇心と高度な記述力で、この難関を突破してもらいたい。


《 2011年入試 東北大-前期・出題内容 》


時間100分
①読解。評論文、770語。下線部説明記述2問、下線部和訳2問、空所完成記述(前置詞)3問。
②読解。エッセイ、825語。下線部和訳2問、下線部説明記述3問。
③会話文。320語。英問英答記述1問。
④英作文。長文の下線部英訳2問。



この記事は「蛍雪時代(2011年10月号)」より転載いたしました。   
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